各部の名称, 点検のポイント, 下降器のセット – Petzl STOP User Manual
Page 18: 機能の確認, エキスパートによる特殊な使用 方法:大きな荷重での使用, その他の使用方法, 規格(en 365)に関する補足 情報, 一般注意事項, トレーサビリティとマーキング
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D09 STOP D098000I (250610)
(JP)日本語
図に示された使用方法の中で、×印やドクロマークが付い
ていないものだけが認められています。 最新の取扱説明書
はウェブサイト(www.alteria.co.jp)で参照できますので、
定期的に確認してください。
疑問点や不明な点は(株)アルテリア(TEL04-2968-3733)に
ご相談ください。
ストップ
シングルロープ用セルフブレーキ下降器
1. 用途
シングルロープ用セルフブレーキ下降器。特にケイビングに適
しています。
レスキュー(EN 341 class A)。
製品に表示された破断強度以上の荷重をかける使用や、本
来の用途以外での使用は絶対に避けてください。
警告
この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。
ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこと
とします。
使用する前に必ず:
- 取扱説明書をよく読み、理解してください
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けてく
ださい
- この製品の機能とその限界について理解してください
- 高所での活動に伴う危険について理解してください
これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の傷害や死に
つながる場合があります。
責任
警告:使用前に必ず、
「用途」の欄に記載された使用用途の
トレーニングを受けてください。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あ
るいはそれらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられ
る人のみ使用してください。
ユーザーは各自の責任で適切な安全確保の技術を習得す
る必要があります。
誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、
傷害、死亡に関してもユーザー各自がそのリスクと責任を
負うこととします。 各自で責任がとれない場合や、その立場
にない場合はこの製品を使用しないでください。
2. 各部の名称
(1) 可動サイドプレート (2) 固定サイドプレート (3) ボビン
(4) カム (5) セーフティゲート (6) ハンドル
主な素材:
スチール、アルミニウム(ボビン)、スチール(カム)
3. 点検のポイント
毎回、使用前に
製品に亀裂や変形、傷、腐食等がないことを確認してくだ
さい。製品(特にカムとボビンの溝)の磨耗の状態を確認し
てください。
カムのスプリングが正しく機能することを確認してくださ
い。
サイドプレートに変形や過度の磨耗がないことを確認して
ください。
固定パーツ(セーフティゲート、ナット)の状態を確認して
ください。
器具の内部に砂や小石等の異物が入っていなこと、ロープ
が通る箇所に潤滑油等が付着していないことを確認して
ください。
各PPE(個人保護用具)の点検方法の詳細についてはペツ
ルのウェブサイト(www.petzl.com)をご参照ください。
もしこの器具の状態に関する疑問があれば、(株)アルテリア
(TEL:04-2968-3733)にご相談ください。
使用中の注意点
システムの各構成器具が正しくセットされていることを確
認してください。
4. 適合性
この器具が、システムで使用されているその他の器具との
使用に適している(併用した時に個々の器具の機能が妨げ
られない)ことを確認してください。
ロープ
直径 9 ~ 12 mm の EN 1891 適合セミスタティックロープ、
スタティックロープ、EN 892 適合ダイナミックロープを使用
してください。
警告:使用するロープによっては滑りやすくなり、
『ストッ
プ』のブレーキの効きが悪くなる場合があります(新しい
ロープ、濡れているまたは凍っているロープ、泥が付いた
ロープ等)。
直径 8 ~ 9 mm のロープ
『ストップ』は直径 9 mm 未満のロープでは使用できませ
ん。 警告:直径 9 mm 未満のロープではセルフブレーキ機
能が働かない可能性があります。 直径 8 ~ 9 mm のロー
プでは、セルフブレーキ機能のない単純な下降器として使
用することはできますが、摩擦を増やしてブレーキを強くす
る必要があります。
(図7A参照) ロープが使用用途に適して
いることを確認してください。
5. 下降器のセット
ロッキングカラビナを使用して『ストップ』を支点またはハ
ーネスに取り付けます。 可動サイドプレートを開きます。 器
具に刻印された図に従ってロープをセットします。 可動サ
イドプレートを閉じ、ロッキングカラビナをクリップしてセ
ーフティゲートを閉じてください。
6. 機能の確認
毎回、使用前に、ロープが正しくセットされていること、器具
が正しく機能することを確認してください。 このテストは必
ずバックアップをとった状態で行ってください。
6A. ハーネスへの取り付け
ランヤードで支点に自己確保をとります。末端側のロープ
を握ったままで、ゆっくりと器具に体重をあずけます。 もう
一方の手でハンドルを握り、カムがスムーズに動くことを確
認してください。 ハンドルを放すと、器具によりロープにブ
レーキがかかります。*
6B. 支点への取り付け
荷重がかかる方のロープを強く引き、カムが回転してロー
プにブレーキがかかることを確認してください。
ロープにブレーキがかからない場合は、ロープが正しくセ
ットされているか確認してください。*
*警告:正しく機能しない(ブレーキの効きが不十分)場合
は、廃棄するか、取り外し可能な摩擦部分(スペアパーツ:カ
ム、ボビン)を交換してください。
警告:器具及びそのパーツ(カム、ハンドル)の動きが妨げられ
ないようにしてください。 器具の動きが妨げられると、ブレーキ
機能が正常に作動しません。
7. 下降
下降を開始するには、片手で末端側のロープを握り、もう
片方の手でハンドルを握ってください。 ブレーキの強さは
末端側のロープの握り具合でコントロールします。 ハンド
ルから手を放すと、下降を止めるための補助ブレーキ機能
が作動します。
警告:末端側のロープから絶対に手を放さないでください。
警告:乾いたロープを使用し、大きな荷重で使用したり、連
続して下降を行うと、器具の手が触れる部分の温度が 48℃
を超えることがあります。このような場合はグローブの使用
をお勧めします。
7A. ブレーキを強くする方法
末端側のロープをカラビナまたは『フレイノ』のブレーキン
グスパーに通します。
7B. セルフブレーキ機能を解除する方法:特殊な使用方法
セルフブレーキ機能を解除して使用する場合は、必ずカラ
ビナでブレーキを強めて使用してください。
7C. 両手を放して停止する方法
- 仮固定:一時的な固定
- 安全固定:長時間の固定
8. レスキュー - EN 341 class A
(1997)
使用できるロープの直径:10 ~ 11 mm(EN 1891 適合セミ
スタティックロープ、スタティックロープ、EN 892 適合ダイ
ナミックロープ)
最長下降距離:100 m
運用荷重:30 ~ 150 kg
150 kg を超える荷重での使用は、システム内の他の器具
に大きな衝撃荷重がかかる可能性があるためお勧めでき
ません。
8A. 固定された支点にセットする方法でのレスキュー
支点に器具をセット:末端側のロープを必ずカラビナで折
り返してください。
8B. ハーネスにセットする方法でのレスキュー
ハーネスに器具をセット:充分に安定した体勢で、ランヤー
ドで自己確保をとり、カラビナでブレーキを強めて使用し
てください。
9. エキスパートによる特殊な使用
方法:大きな荷重での使用
要救助者を伴って下降する等の特殊な状況では、EN 341
規格で定められている最大運用荷重では不十分な場合が
あります。 実験室において衝撃荷重をかけない下降試験を
行った結果、注意して使用すれば『ストップ』は最大 200 kg
までの荷重をコントロールできることが分かりました。
警告:ここに挙げる方法での救助は、この方法の訓練を受
けたユーザーのみ行うことができます。 最大荷重:200 kg。
決して衝撃荷重がかからないようにしてください。 必ずカ
ラビナでブレーキを強めて使用してください。
警告:大きな荷重で使用する場合、使用するロープによって
は『ストップ』のブレーキの効きが大きく低下する可能性が
あります(新しいロープ、直径の細いロープ等)。
10. その他の使用方法
- ホーリングシステム
11. 規格(EN 365)に関する補足
情報
レスキュープラン
ユーザーは、この製品の使用中に問題が生じた際にすみや
かに対処できるよう、レスキュープランとそれに必要となる
装備をあらかじめ用意しておく必要があります。
支点
システム用の支点はユーザーの体より上にとるようにして
ください。支点は、最低でも10 kNの破断強度を持ち、EN
795 規格を満たしていなければなりません。
その他
- 複数の器具を同時に使用する場合、1つの器具の安全性
が、別の器具の使用によって損なわれることがあります
- 警告:製品がざらざらした箇所や尖った箇所でこすれない
ように注意してください
- ユーザーは、高所での活動が行える良好な健康状態にあ
ることが必要です。 警告:動きの取れない状態のまま吊り
下げられると、ハーネスを着用していても重度の傷害や死
に至る危険性があります。
- 併用するすべての用具の取扱説明書もよく読み、理解し
てください
- 取扱説明書は、製品と一緒にユーザーの手に届かなけれ
ばなりません。また、取扱説明書は製品が使用される国の
言語に訳されていなければなりません
12. 一般注意事項
耐用年数 / 廃棄基準
ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、
製造日から数えて最長10年です。 金属製品には特に設け
ていません。
注意:極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が
生じ、その後使用不可能になる場合があります(劣悪な使
用環境、鋭利な角との接触、極端な高/低温下での使用や保
管、化学薬品との接触等)。
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないでくだ
さい:
- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以
上経過した
- 大きな墜落を止めた、あるいは非常に大きな荷重がか
かった
- 点検において使用不可と判断された。 製品の状態に疑
問がある
- 完全な使用履歴が分からない
- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新し
い製品との併用に適さない等の理由で、使用には適さない
と判断された
使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃
棄してください。
製品の点検
毎回の使用前の点検に加え、定期的に十分な知識を持つ
人物による綿密な点検を行う必要があります。 綿密な点検
を行う頻度は、使用の頻度と程度、目的により異なります。
また、法令による規定がある場合はそれに従わなければな
りません。 ペツルは、少なくとも12ヶ月ごとに綿密な点検を
行うことをお勧めします。
トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付
いているタグを切り取ったり、マーキングを消したりしない
でください。
点検記録に含める内容:用具の種類、モデル、製造者また
は販売元の名前と連絡先、製造番号、識別番号、製造日、購
入日、初めて使用した時の日付、次回点検予定日、注意点、
コメント、点検者及びユーザーの名前と署名。
詳しい点検記録の見本はwww.petzl.com/ppeをご参照く
ださい。
持ち運びと保管
紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で
保管してください。必要に応じて洗浄し、直射日光を避けて
乾燥させてください。
改造と修理
ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パ
ーツ交換は除く)。
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用さ
れます。 以下の場合は保証の対象外とします:通常の磨耗
や傷、酸化、改造や改変、不適切な保管方法、メンテナンス
の不足、事故または過失による損傷、不適切または誤った
使用方法による故障
責任
ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリ
アは、製品の使用から生じた直接的、間接的、偶発的結果
またはその他のいかなる損害に対し、一切の責任を負い
かねます。
トレーサビリティとマーキング
a. この個人保護用具の製造を監査する公認機関
b. CE適合評価試験公認機関
c. トレーサビリティ:データマトリクスコード = 製品番号 +
個別番号
d. 直径
e. 個別番号
f. 製造年
g. 製造日
h. 検査担当
i. 識別番号
j. 規格