1.用途について, 2.各部の名称, 3.点検のポイント – Petzl REVERSO 3 User Manual
Page 22: 4.適合性, 5.セット方法, 6.使用前と使用中の注意, 7.リードクライマーのビレイ, 8.トップロープでのロワーダウン, 9. セルフブレーキ機能を使用しないセカン ドクライマーのビレイ, 10.セルフブレーキ機能を使用した1人のセ カンドクライマーのビレイ

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D17 REVERSO ³ D175000F (100908)
(JP) 日本語
図に示された使用方法の中で、×印やドクロマークが付いていないも
のだけが認められています。 最新の取扱説明書はウェブサイト(www.
alteria.co.jp)で参照できますので、定期的に確認してください。
疑問点や不明な点は(株)アルテリア(TEL04-2969-1717)にご相談く
ださい。
1.用途について
クライミングおよびマウンテニアリング用のビレイデバイス/ディッセ
ンダーです。
使用できるロープ:CE(EN892)もしくはCE及びUIAAの認証を受けた、カ
ーンマントル構造(芯+外皮)のダイナミックロープ:
- ダブルもしくはツインロープ:直径7.5mm以上
- シングルロープ:直径8.9mm以上
この製品は、直径10.5mm以下のロープに使用するようにデザインされ
ています。
(11mmまで許容範囲)
製品に表示された破断強度以上の荷重をかける使用や、本来の用途以
外での使用は絶対に避けてください。
警告
この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。
ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこととします。
使用する前に必ず:
- 取扱説明書をよく読み、理解してください
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けてください
- この製品の機能とその限界について理解してください
- 高所での活動に伴う危険について理解してください
これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の障害や死につながる場
合があります。
ユーザーは、この製品の使用中に問題が発生した際にすみやかに対
処できるよう、レスキュー技術を身につけておく必要があります。 また、
そのために必要となる適切なトレーニングを積むことが必要となります。
この取扱説明書の内容は本製品の使用方法のみに限られており、ビレイや懸
垂下降の技術については説明していません。
ユーザーは、本製品を使用する前に、ビレイや懸垂下降の技術を身につ
けておく必要があります。 ビレイには知識と技術、そしてビレイに伴う危
険を察知する能力が必要となります。
責任
警告:使用前に必ず、
「用途について」の欄に記載された使用用途のトレ
ーニングを受けてください。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいはそれら
の人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用して下さい。
ユーザーは各自の責任で適切な技術及び確保技術を習得する必要が
あります。
ペツル製品の誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損
害、傷害、死亡に関してもユーザー各自がそのリスクと責任を負うことと
します。 各自で責任がとれない場合や、その立場にない場合はこの製品
を使用しないで下さい。
2.各部の名称
(1) ケーブル (2) アタッチメントポイント (3) ボディ (4) ロープスロッ
ト (5) ブレーキグルーブ (6) リリースホール
主な素材:ボディ(アルミニウム合金)、ケーブル(外側:ナイロン、内側:
スチール)
用語
本説明書において「ロープ」とは、1本もしくは2本のロープのことを指し
ます。 2本のロープを使用する場合は、それぞれのロープを2つのロープ
スロットに別々に通してください。
3.点検のポイント
毎回、使用前に
製品に亀裂や変形、傷、磨耗、腐食等がないことを確認してください。
特に磨耗によってできる鋭いエッジには注意してください。
各用具の点検方法の詳細についてはペツルのウェブサイト(www.petzl.
com)もしくはPETZL PPE CD-ROMを参照ください。 もしこの器具の状
態に関する疑問があれば、
(株)アルテリア(TEL:04-2969-1717)にご相
談ください。
使用中の注意点
この製品及び併用する器具(連結している場合は連結部を含む)に常に
注意を払い、状態を確認してください。 システムを構成するそれぞれの
器具が正しくセットされていることを常に確認してください。 ロープスロ
ットに小石等の異物が入らないようにしてください。
4.適合性
この器具が、システムで使用されているその他の器具との使用に適し
ている(併用された時に個々の器具の機能が妨げられない)ことを確認
してください。
ロープ
使用できるロープ:CE(EN892)もしくはCE及びUIAAの認証を受けたダ
イナミックロープ:シングル、ダブル、ツイン
2本のロープを使用する場合、直径や状態、やわらかさ等が同じものを
使用してください。
警告:ロープによっては滑りやすくなる場合があります(新しいロープ、径
の細いロープ、特殊な外皮構造のロープ、外皮に特殊な処理がほどこさ
れているロープ、濡れているロープ等)。使用するロープの取扱説明書も
よく読み、理解してください。
ブレーキバーとして使用するカラビナ
必ずロッキングカラビナを使用してください。 『ルベルソ キューブ』に使
用するカラビナは、ロープとの摩擦を起こすブレーキバーとして、ロープ
の流れを制動する働きをします。 カラビナのサイズや形状、位置は『ルベ
ルソ キューブ』の機能に大きく関係します。
ブレーキバーとして使用するカラビナは、
『ルベルソ キューブ』と接する
部分ができるだけ真っ直ぐなものを使用する必要があります。
カラビナは常に自由に動く状態にしてください。
5.セット方法
- ロッキングカラビナをケーブルにクリップします
- 『ルベルソ キューブ』をハーネスのビレイループに取り付けます
- シングルロープ:ロープをループ状にし、どちらかのロープスロットに
通してください
- ダブルまたはツインロープ:2本のロープをそれぞれループ状にし、2つ
のロープスロットに別々に通してください
- ロープスロットに通したロープをカラビナにクリップし、カラビナのゲー
トをロックしてください
6.使用前と使用中の注意
- 『ルベルソ キューブ』は自動的にロープの流れを止める器具ではありません。
ロープの流れを止め、クライマーの墜落を止めるのはビレイヤーです。
ビレイヤーは末端側のロープから決して手を放さないでください。
ビレイヤーは、パートナーをビレイする前に必ず自己確保をとってください。
- 手をロープとの摩擦から守るためにも、グローブの着用をお勧めし
ます
- 使用前に安全な場所でテストし、
『ルベルソ キューブ』によってロープ
にどれ程のブレーキをかけることができるかを確認してください
ケーブル = 0 kN
ケーブルには、張力に対する強度はありません。
警告、危険:ケーブルを使って自己確保をとらないでください。
ケーブルは、
『ルベルソ キューブ』がカラビナから離れてしまうのを防ぐ
ため、また紛失を防ぐためのものです。 ケーブルの損傷を防ぐため、ロ
ープとの摩擦を避けてください。
7.リードクライマーのビレイ
警告:リードクライマーは、ビレイヤーのすぐ上にプロテクションを取ってから
リードを開始してください。
7A. ロープを繰り出す
片方の手で末端側のロープを握ったまま『ルベルソ キューブ』にロープ
を押し込み、 もう片方の手でクライマー側のロープを引いてロープを
繰り出します。
7B. ロープをたぐる
片方の手でクライマー側のロープの余分なたるみを引き、 もう片方の手
で末端側のロープを引きます。
(ロープから手を放さないでください)
7C. 墜落の止め方:
末端側のロープをしっかりと握ったまま下に引いてください。
8.トップロープでのロワーダウン
末端側のロープを両手でしっかりと握ったまま下に引いてください。 両
手を交互に入れかえるようにしてロープを出してください。 末端側のロ
ープから決して両手を放さないでください。
9. セルフブレーキ機能を使用しないセカン
ドクライマーのビレイ
参照: 「5.セット方法」
セカンドクライマー側のロープは必ず支点(ビレイヤーよりも上の位置
になければなりません)に通してください。
10.セルフブレーキ機能を使用した1人のセ
カンドクライマーのビレイ
10A. セルフブレーキシステムが墜落を止める補助を
します。
『ルベルソ キューブ』のアタッチメントポイントにロッキングカラビナを
クリップし、支点に取り付けてください。
セカンドのビレイをする際の操作性を良くするためには、
『ルベルソ キ
ューブ』が体の前、肘と肩の間くらいの高さになるようセットしてくだ
さい。
- ロープをループ状にし、ロープスロットに通します
クライマー側のロープが上(アタッチメントポイント側)になるようにし
てセットしてください。
スロットに通されたロープとケーブルにロッキングカラビナをクリップ
してください。
クライマー側のロープを引き、ロープが滑り出さないこと(セルフブレーキ機
能が働くこと)を確認してください。
両手を使い、ロープを操作してください。 セカンドクライマーが墜落する
と、セルフブレーキ機能が働いて墜落を止めます。
末端側のロープから絶対に手を放さないでください。
それぞれクライマー側及び末端側の2本のロープは、ブレーキグルーブの間を
通り、下向きに引かれていなければなりません。
(図「Test」参照)
警告、死の危険:カラビナは常に自由に動く状態にしてください。
10B. 『ルベルソ キューブ』のリリース
末端側のロープから絶対に手を放さないでください。
リリースホールにカラビナをクリップし、ハンドルとして使います。
末端側のロープをしっかりと握ったまま、ハンドルを引いて『ルベルソ キ
ューブ』を傾け、ロープを流します。 ロープの流れは、末端側のロープの
握り具合で調節します。 ロープの流れを止めるには、末端側のロープを
しっかりと握り、ハンドルを放します。
その他の方法(例:コードやスリング等を使った方法)でロープをリリー
スすることは絶対にしないでください。
11.2人のセカンドクライマーのビレイ
使用できるロープ
直径8.5 mm以上の、直径や状態、やわらかさ等が同じロープを2本使
用してください。
11A. ビレイ
図10Aの通りにロープをセットしてください。
警告、危険:カラビナは常に正しい位置にセットされていなければなりません。
カラビナの動きが妨げられないようにしてください。
警告、2人のセカンドクライマーの内の1人がテンションをかけている場合:
- 両方のロープをこまめに引き、ロープがたるまないようにしてください。
- セルフブレーキ機能の効きが悪くなることがあります。 もう1人のセカ
ンドクライマーのロープに特に注意を払う必要があります。 両方の末端
側のロープから決して手を放さないでください。
11B. セカンドクライマーをアシストする
参照:「10B」
テンションをしたセカンドクライマーのロープをゆるめる場合は、必ずそ
の前にもう1人のセカンドクライマーのロープに結び目をつくり安全を
確保する必要があります。
12.懸垂下降
2本のロープを「5.セット方法」の通り『ルベルソ キューブ』にセットしま
す。制動を強めるには、末端側のロープを強く握ってください。
バックアップ(『シャント』またはセルフロッキングノット)を、
『ルベルソ キュー
ブ』の下に取り付けてください。
13.制動の調節
通常は、基本的な方法で使用してください:末端側のロープがブレーキ
グルーブの上を通る方法(「5.セット方法」参照)
ユーザーの体重、ロープの径、用途や気象条件等に応じて制動力の調節
が必要になる場合もあります。 制動力を弱くするには、ロープをセットす
る向きを逆にします。 この場合、末端側のロープがブレーキグルーブの
反対側を通るようにセットします。
14.一般注意事項
耐用年数
警告:以下にあげるような極めて異例な状況においては、1回の使用で
損傷が生じ、その後使用不可能になる場合があります:化学薬品との
接触、鋭利な角との接触、極端な高/低温下での使用や保管、大きな墜
落や過荷重等
ペツル製品の耐用年数は以下の通りです:プラスチック製品、繊維製品
は最長で製造日から10年。 金属製品には特に設けていません。
ただし、下に記された“廃棄基準”の内一つ以上に該当する場合や、技術
や基準の進歩を反映した新しい器具との併用に適さないと判断される
場合は直ちに廃棄してください。
実際の耐用年数は様々な要因によって決まります。例:製品を使用する
環境、使用の頻度、状況、ユーザーの能力、保存やメンテナンスの状況等
製品に損傷や劣化がないか定期的に点検してくださ
い。
安全のため、使用前、使用中の点検に加え、専門家による綿密な点検を
定期的に行う必要があります。 綿密な点検は少なくとも12ヶ月ごとに行
う必要がありますが、 必要な頻度は、使用の頻度と程度、目的により異な
ります。 また、各PPEユーザーが用具の使用履歴を把握できるようにす
るため、各ユーザーが専用の用具を持ち、未使用の状態から管理するこ
とをお勧めします。 用具をよりよく管理するため、製品ごとに点検記録を
とることをお勧めします。 点検記録に含める内容:用具の種類、モデル、
製造者または販売元の名前と連絡先、製造番号、識別番号、製造年、購
入日、初めて使用した時の日付、ユーザー名、その他の関連情報(例:メ
ンテナンス、使用頻度、定期点検の履歴、点検日、コメント、点検者の名
前と署名、次回点検予定日) 詳しい点検記録の見本はwww.petzl.com/
ppeを参照ください。
廃棄基準
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないでください:
- 使用前、使用中の点検、または定期点検において使用不可と判断さ
れた
- 大きな墜落を止めた場合や、非常に大きな荷重がかかった
- 完全な使用履歴が分からない
- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上経過した
- 製品の状態に疑問がある
使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃棄して
ください。
新しい技術および器具の発達
製品が、システムの中での使用に適さないと判断され、実際の耐用期間
が過ぎる前に廃棄される場合の理由は様々です。 例:関連する基準、規
格、法律の変更、新しい技術の発達、他の器具との併用に適しない等
改造と修理
ペツルによって認められた場合を除き、製品の改造および修理を禁じま
す。製品の機能を損ねる危険性があります。
保証
この製品には、原材料及び製造過程における欠陥に対し3年の保証期
間が設けられています。 ただし以下の場合は保証の対象外とします:
通常の磨耗や傷、酸化、改造や改変、正しくない保管方法、メンテナン
スの不足、事故または過失による損傷、不適切または誤った使用方法
による故障
ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、製品の
使用から生じた直接的、間接的、偶発的結果またはその他のいかなる損
害に対し、一切の責任を負いかねます。