各部の名称, 点検のポイント, ハーネスの装着方法 – Petzl AVAO BOD CROLL FAST User Manual
Page 21: チェストアッセンダー croll, ギアループ, ヨーロッパ規格 en 365 に関する補足情報, 一般注意事項, トレーサビリティとマーキング
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C71CFA
AVAO BOD CROLL FAST
C715020E (060213)
21
JP
図に示された使用方法の中で、×印やドクロマーク、
「NO!」 の文字が付いていない
ものだけが認められています。間違った使用方法の例もいくつか挙げていますが、全
ての間違った方法をここに記すのは不可能です。定期的にウェブサイト(www.petzl.
com)で最新の技術情報を確認してください。
疑問点や不明な点は(株)アルテリア(TEL04-2968-3733)にご相談ください。
1.用途
PPE(個人保護用具)
高所での作業に使用するフォールアレストハーネス、ワークポジショニング用ベルト、
シットハーネス。ロープクランプ付ロープアクセスハーネス。
製品の破断強度以上の荷重をかける使用や、本来の用途以外での使用は絶対に避
けてください。
警告
この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。
ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこととします。
使用する前に必ず:
- 取扱説明書をよく読み、理解してください
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けてください
- この製品の機能とその限界について理解してください
- 高所での活動に伴う危険について理解してください
これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の傷害や死につながる場合
があります。
責任
警告:使用前に適切なトレーニングが必要です。トレーニングは、
「用途」の欄に記載
された使用用途に対応している必要があります。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいはそれらの人から目
の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用してください。
ユーザーは各自の責任で適切な安全確保の技術を習得する必要があります。
誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、傷害、死亡に関してもユー
ザー各自がそのリスクと責任を負うこととします。各自で責任がとれない場合や、その
立場にない場合は、この製品を使用しないでください。
2.各部の名称
- チェストハーネス:
(1) 背部アタッチメントポイント (2) 背部アタッチメントポイント調節バックル (3) 胸
部アタッチメントポイント調節バックル (4) 胸部アタッチメントポイント (5) 伸縮性
ストラップリテイナー (6) マジックテープ式ランヤードリテイナー (7) ツールホルダ
ーループ (8) チェストアッセンダー CROLL (9) 反転防止機能付マイロン (10) カム
(11) トリガー
- シットハーネス:
(12) ウエストベルトストラップ (13) レッグループストラップ (14) 腹部アタッチメント
ポイント (15) 側部アタッチメントポイント (16) 後部レストレイン用アタッチメントポ
イント (17) レッグループ用ファストバックル (18) ギアループ (19) ツールホルダール
ープ (20) プラスチック製ストラップリテイナー (21) レッグループリテイナー (22) レ
ッグループとチェストハーネスをつなげるストラップ (23) ウエストベルト用ダブルバ
ックバックル (24) 作業用ブランコ取付用アタッチメントポイント (25) CARITOOL 取
付用スロット
主な素材:
ストラップ: ポリエステル
調節バックル: スチール
アタッチメントポイント: アルミニウム合金
CROLL:
フレーム: アルミニウム合金
カム: ステンレススチール
3.点検のポイント
毎回、使用前に
ハーネス
ウェビングのアタッチメントポイント部分、調節バックル部分、および縫製部分を点
検してください。
使用による切れ目や磨耗、熱や化学製品との接触等による損傷がないことを確認して
ください。切れている縫製糸がないことを特に注意して確認してください。
ダブルバックバックル、ファストバックルが正常に機能することを確認してください。
マイロン
フレームにひび割れや変形、腐食等がないことを確認してください。スクリューゲー
トがしっかりと閉じており(ネジ山が見えない)、3 Nm のトルクで締められていること
を確認してください。
CROLL
製品に亀裂や変形、傷、磨耗、腐食等がないことを確認してください。
フレーム、コネクションホール、カム、トリガー、カムの軸、スプリングの状態を確認
してください。
カムの動きとスプリングの状態に問題がないことを確認してください。
カムの歯に泥等が詰まっていないことを確認してください。
各PPE(個人保護用具)の点検方法の詳細についてはペツルのウェブサイト(www.
petzl.com/ppe)をご参照ください。
疑問点は(株)アルテリア(TEL:04-2968-3733)にご相談ください。
使用中の注意点
この製品及び併用する器具(連結している場合は連結部を含む)に常に注意を払い、
状態を確認してください。システムの各構成器具が正しくセットされていることを確
認してください。
4.適合性
この製品がシステムの中のその他の器具と併用できることを確認してください(併用
できる = 相互の機能を妨げない)。
5.ハーネスの装着方法
- 余分なストラップは必ず折って平らにした状態でリテイナーにしまってください。
ファストバックルの機能を妨げる可能性があるため、小石、小枝、ウェビング等が挟
まらないように注意してください。調節バックルが正しく締められていることを確認
してください。
反転防止機能付マイロン
このコネクターにランヤードやエネルギーアブソーバーを取り付けることはできま
せん。
背部アタッチメントポイント位置の調節
初めて使用する際に調節してください。そうすることにより、以後調節する必要がなく
なります。別の人に手伝ってもらうことにより、調節が容易になります。
体型にあわせて、背部アタッチメントポイントの位置を肩甲骨の位置と同じ高さにな
るように調節してください。
調節の確認
墜落の際に怪我をする危険を低減するため、ハーネスは体にぴったりとフィットする
よう調節してください。
ハーネスが正しくフィットし、使用目的に見合う快適性が得られることを必ず確認して
ください。ハーネスを装着した状態で動いたり、装備を全て装着した状態で各アタッ
チメントポイントから吊り下がり、適切に調節されていることを確認してください。
6.フォールアレストハーネス EN 361:2002
墜落を止めるためのフルボディハーネス。EN 363 が定めるフォールアレストシステム
を構成する用具の1つです。必ず EN 795 に適合したアンカー、EN 362 に適合したロ
ッキングカラビナ、EN 355 に適合したエネルギーアブソーバーと併用してください。
6A.胸部アタッチメントポイント
6B.背部アタッチメントポイント
フォールアレストシステム(例:モバイルフォールアレスター、エネルギーアブソーバ
ー、その他 EN 363 で定められているシステム)に連結する場合は必ずこれらのアタッ
チメントポイントを使用してください。区別しやすくするため、これらのアタッチメント
ポイントには「A」の文字が刻印されています。
クリアランス:ユーザーの下の障害物のない空間
墜落した際に途中で障害物に衝突することを回避するため、ユーザーの下には必ず
十分なクリアランスを確保してください。必要なクリアランスを算出する方法は、フォ
ールアレストシステムを構成するその他の器具(エネルギーアブソーバー、モバイル
フォールアレスター等)の取扱説明書に記載されています。
7.ワークポジショニング及びレストレイン用ベルト(EN
358:1999 適合)
これらのアタッチメントポイントは、吊り下がった状態で体を支え作業位置で安定し
た体勢をとる(ワークポジショニング)、または墜落の可能性がある場所にユーザーが
侵入できないよう行動範囲を制限する(レストレイン)ために使用します。レストレイ
ンまたは落下距離が 0.5 m を超えないワークポジショニングにのみ使用できます。
これらのアタッチメントポイントは、フォールアレストの目的で使用することはできま
せん。状況に応じて、ワークポジショニングやレストレインシステムに加えて、共同の
確保システム(手すり、安全ネット等)や個人用のフォールアレストシステムを併用す
る必要があります。
7A.腹部アタッチメントポイント
7B.側部アタッチメントポイント
両側部のアタッチメントポイントは、必ずワークポジショニングランヤードで連結して
使用してください(U字吊り)。
7C.後部レストレイン用アタッチメントポイント
このアタッチメントポイントは、レストレインシステムを連結する目的でのみ使用
できます。
作業中も常にシステムの有効性を確認してください(長さ等の調節や連結箇所を確
認してください)。
8.シットハーネス:
EN 813:2008
腹部アタッチメントポイント
最大使用荷重: 140 kg
ロープアクセス及びワークポジショニング用にデザインされています。
腹部アタッチメントポイントは、下降器やワークポジショニングランヤード等の接続
に使用します。
フォールアレストシステムとの連結には使用しないでください。
9.チェストアッセンダー CROLL
CROLL はタイプ B のロープアジャストメントデバイスで、作業ロープの登高に使用
します。
CROLL は、必ずバックアップロープにセットしたタイプ A のバックアップ器具(
例: モバイルフォールアレスター ASAP)と併用してください。
CROLL は、フォールアレストシステムでの使用には適していません。
- EN 12841: 2006 タイプ B の要求事項を満たすためには、EN 1891 タイプ A に適
合した直径 10~11 mm のセミスタティックロープ(コア + シース)を使用する必要
があります。
(認証テストではベアール『Antipodes 10 mm』、
『Antipodes 11.5 mm』
が使用されました)
- ランヤード + コネクター + 器具の長さが1 mを超えないようにしてください
- 器具に衝撃荷重がかかるのを避けるため、ロープ(器具と吊り元の間)はたるませ
ず、常にテンションがかかった状態を保つ必要があります。
バックアップ用ロープを、ワークポジショニングのために使用しないでください。
衝撃荷重によってロープはダメージを受けます。
最大使用荷重: 140 kg
機能の原理と確認
この製品はロープ登高に使用します。ロープ上を一方向には動きますが、反対方向
には動きません。
カムの歯がロープを噛むことにより、フレームとの間でロープを挟みます。ロープに付
いた泥等によるつまりを防ぐために、カムにはスロットがあります。
ロープの取り付けと取り外し
カムを開くには、トリガーを親指と人差し指でつまみ、カムから離しながら引いて、右
側の本体部分にひっかけます。これでカムが開いた状態でロックされます。
ロープを挿入します。上下の向きを示す目印に注意して正しい向きにセットしてくだ
さい。トリガーを戻し、カムがロープを押さえていることを確認してください。トリガー
は不意にカムが解除されるのを防ぎます。
ロープの取り外し:
器具を上にスライドさせながら、トリガーをまず下側に、それから外側に引いてく
ださい。
ロープ登高
CROLL と、フットループを取り付けた別のロープクランプ(BASIC 等)を使用します。必
ず別のロープクランプとハーネスをランヤードで連結してください。
斜めにトラバースする場合
ロープが斜めになっている箇所で登り始める時は、ロープをまたいで、ロープが
CROLL に対して平行に流れるようにしてください。
短い距離の下降
器具をゆっくりと上にスライドさせながらカムを下に押してください。トリガーは操作
しないでください。不意にカムを解除してしまう危険があります。
10.ギアループ
ギアループは器具を取り付けるためにのみ使用してください。
警告、危険: ギアループは、ビレイ、懸垂下降、ロープの連結、自己確保には絶対に使
用しないでください。
11.ヨーロッパ規格 EN 365 に関する補足情報
レスキュー計画
ユーザーは、この製品の使用中に問題が生じた際にすみやかに対処できるよう、レス
キュー計画とそれに必要となる装備をあらかじめ用意しておく必要があります。
アンカー
システム用のアンカーはユーザーの体より上にとるようにしてください。アンカーは、
最低でも 10 kN の強度を持ち、EN 795 の要求事項を満たしていなければなりません.
その他
- フォールアレストシステムでは、墜落した際に地面や障害物に衝突することがない
よう、毎回使用前に十分なクリアランスがユーザーの下に確保されていることを確認
する必要があります
- 墜落距離を短くし、危険を少なくするため、アンカーが適切な位置に設置されてい
ることを確認してください
- フォールアレストシステムで身体のサポートに使用できるのはフォールアレストハ
ーネスのみです
- 複数の器具を同時に使用する場合、1つの器具の安全性が、別の器具の使用によっ
て損なわれることがあります
- 警告:製品がざらざらした箇所や尖った箇所でこすれないように注意してください
- ユーザーは、高所での活動が行える良好な健康状態にあることが必要です。警告:
動きの取れない状態のまま吊り下げられると、ハーネスを着用していても重度の傷害
や死に至る危険性があります
- 併用するすべての用具の取扱説明書もよく読み、理解してください
- 取扱説明書は、製品と一緒にユーザーの手に届かなければなりません。また、取扱
説明書は製品が使用される国の言語に訳されていなければなりません
12.一般注意事項
耐用年数 / 廃棄基準
ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、製造日から数えて最長10年
です。金属製品には特に設けていません。
警告: 極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が生じ、その後使用不可能
になる場合があります(劣悪な使用環境、鋭利な角との接触、極端な高/低温下での使
用や保管、化学薬品との接触等)。
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないでください:
- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上経過した
- 大きな墜落を止めた、あるいは非常に大きな荷重がかかった
- 点検において使用不可と判断された。製品の状態に疑問がある
- 完全な使用履歴が分からない
- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新しい製品との併用に適さな
い等の理由で、使用には適さないと判断された
使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃棄してください。
製品の点検
毎回の使用前の点検に加え、定期的に十分な知識を持つ人物による綿密な点検を行
う必要があります。綿密な点検を行う頻度は、使用の頻度と程度、目的により異なりま
す。また、法令による規定がある場合はそれに従わなければなりません。ペツルは、少
なくとも12ヶ月ごとに綿密な点検を行うことをお勧めします。
トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付いているタグを切り取った
り、マーキングを消したりしないでください。
点検記録に含める内容:用具の種類、モデル、製造者または販売元の名前と連絡先、
製造番号、認識番号、製造日、購入日、初めて使用した日付、次回点検予定日、注意点、
コメント、点検者及びユーザーの名前と署名。
詳しい点検記録の見本は www.petzl.com/ppe をご参照ください。
持ち運びと保管
紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で保管してください。必要に
応じて洗浄し、乾燥させてください。
改造と修理
ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パーツ交換は除く)。
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。以下の場合は保証
の対象外とします:通常の磨耗や傷、酸化、改造や改変、不適切な保管方法、メンテナ
ンスの不足、事故または過失による損傷、不適切または誤った使用方法による故障
責任
ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、製品の使用から生じ
た直接的、間接的、偶発的結果またはその他のいかなる損害に対し、一切の責任を
負いかねます。
トレーサビリティとマーキング
a. この個人保護用具の製造を監査する公認機関
b. CE適合評価試験公認機関
c. トレーサビリティ:データマトリクスコード = 製品番号 + 個別番号
d. 直径
e. 個別番号
f. 製造年
g. 製造日
h. 検査担当
i. 識別番号
j.規格
k.取扱説明書をよく読んでください