役に立つ情報, セットアップ – IKA RV 8 FLEX User Manual
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役に立つ情報
蒸留とは、物質毎の、圧力に依存する沸点に基づいて、液体化
合物が、蒸発と、その後の液化により熱分離する過程です。
沸点温度は、外部圧力が下がると同時に下がるので、穏やか
な単蒸留を迅速に行うため、作業は通常、減圧下で行います。
例えばヒーティングバスを一定温度(60℃)に保ちます。減圧
下では、沸点は蒸気温度約40℃になります。一般的に設定し
たヒーティングバスの温度とクーラー(冷却蛇管)へ流す冷却
水の温度差は40℃以上必要です。クーラーの冷却水は、20℃
以下である必要があります(60-40-20 ルール)。
減圧環境を形成するには、真空コントローラ付きの耐食性ダ
イヤフラム真空ポンプを用います。
ポンプは、ウルフ瓶を追加することで、溶媒の残滓から保護さ
れます。
減圧環境を形成するためにジェットポンプを利用することは、
ある限度までしか推奨できません。
なぜならこのシステムでは、溶媒が環境を汚染することがある
ためです。
回転速度、温度、ナスフラスコサイズ、装置の圧力は、すべてエ
バポレータの冷却容量に関係します。クーラー(冷却蛇管)の
最適な能力は、その冷却容量の約60%です。これは冷却コイ
ルの約2/3 に該当します。冷却容量を超えると、液化しない溶
媒蒸気が抽出される恐れが生じます。
装置は上昇停止安全機構を備えてい
ます。電源が切れると、ナスフラスコ
は、一体型ガススプリングにより自動
的にヒーティングバスから取り出され
ます。
注:毎日使用前に必ず安全リフトを点
検して下さい。(安全上のご注意/安全
リフトを参照してください。) 停電後は
ガラスセットを空にしてください 。
ドライアイスを使用する強制冷却タイプや、還流式タイプや下
降冷却タイプなど他の種類のクーラーを用いる場合、ガラス
装置の重量増の分だけ最大荷重を減らす必要があります。こ
のような場合、蒸留の前に、ガラスと蒸留素材を積載したとき、
昇降機が電源なしで上がるかどうか確認してください。
本装置は、冷却水供給システム(例:実験用サーモスタット)と
併用する設計となっていますが、水供給ラインに排水すること
もできます。冷却水圧、温度の恒常性、流量にかんする情報は
「技術データ」をご参照ください。
セットアップ
RV 8
駆動部
1.)
リフトへの土台の取り付け
(Fig.7)
•
開梱後、円筒形ねじM6x25(F) 4 個と鋸歯状座金M6(G)を付
け、ベース(H)をリフト(I)に取り付けます。(Fig.7)
G
H
I
F
Fig. 7
2.)
搬送用のロックを外す (Fig.8)
•
手で昇降機の上昇を押さ
え、装置の背後の蝶ネジを
外します(J)。
注:搬送用ロックを一旦外
すと昇降リフトは直ぐに上
方向に飛び出ます。リフト
の全長は120mm です。
J
Fig. 8
注意
注意