San 構成 – Dell PowerVault 132T LTO/SDLT (Tape Library) User Manual
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テープドライブとライブラリのパフォーマンスに関する考慮事項
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SAN 構成
ファイバーチャネル(FC)は多くの点で SCSI よりも優れています。まず、SCSI の距離制限
が克服されており(LVD SCSI では 12 m なのに対して、短波の 2 Gb FC リンクでは
300 m
)、データの転送速度も高速です。SCSI のようなバスベースのアーキテクチャではな
く、シリアルネットワークプロトコルとして、FC は SAN の実装にとって最適なプロトコル
ともなっており、データストレージリソースの統合を可能にしています。また、FC の各接
続は送信リンクと受信リンクで構成され、全二重動作が可能になっています。このため、
データを双方向に同時送信できます。したがって、シングルの FC 接続によるバックアップ
動作中に、通信を交代せずにソースとテープとの間でデータの読み取り / 書き込みを行うこ
とができ、接続の帯域幅は事実上倍加します。図 1-5 を参照してください。
図 1-5 ファイバーチャネルリンクの図
テープライブラリを SAN で構成しても、パフォーマンスに影響を与えるさまざまな要因が
あります。たとえば、FC リンクの速度、ソースとテープライブラリの間のデータフロー、
外付けストレージアレイのパフォーマンスの限界などです。ソリューションの全体的な
セットアップと管理について理解していれば、これらの要因の多くは回避することができ
ます。
SAN
では FC プロトコルによって広いデータ帯域幅が提供されているものの、FC リンクに
よってパフォーマンスが制限されるような状況を避けるには、テープドライブに対して適
切な配慮が必要です。2 ギガビット(Gb)による FC リンクのデータ転送速度は、200 MB/
秒です(すなわち、送信リンクと受信リンクでそれぞれ 200 MB/ 秒)。したがって、複数の
テープドライブを同一リンクで操作しようとすると、リンクの総帯域幅を超える場合があ
ります。ホストがレガシーの 1 Gb アダプタで動作している場合、2 台のドライブにデータ
をバックアップするだけでパフォーマンスが大幅に限定される可能性があります。
したがって、2 Gb のリンク上で 3 台以上のテープドライブを同時に使用する場合は、単一
のリンクに頼るのではなく、バックアップをいくつかの接続に分散する必要があるかもし
れません。このような場合に、SAN ソリューションのトポロジを理解しておくと役に立ち
ます。バックアップ動作中にソースから読み取られ、テープに書き込まれるデータパスを
追跡しておけば、管理者がボトルネックの可能性を認識するのに役立ちます。何らかのボ
トルネックが確認された場合は、構成に応じて対策を講じることができます。たとえば、
複数のドライブを一度に操作する必要のあるバックアップソリューションの場合は、テー
プハードウェアを別々のファブリックに分割すると、接続の分割によってパフォーマンス
が向上する可能性があります。図 1-6 を参照してください。
ホスト
ファイバー
チャネル
デバイス
送信
受信
受信
送信
2 Gb = 200 MB/ 秒
2 Gb = 200 MB/ 秒